vol.026 2007年03月31日(土)

【ページ数】:28ページ目
【説明】:橋の上で振り返っているショット
【作品名】:みか絵里美人

 押してだめなら引いてみる。ぜんざいには甘さを引き立たせるために塩を入れる。好きなのに「キライ!」と言う。「○○でないことはない」と二重否定を使う。このように何か物事を成功させたいとき、または強調したいとき全く逆の要素を取り入れることはいろいろな分野で効果的であることが実証されています。今回紹介する28ページ目のショットもそんな”逆”要素をうまく取り入れたものです。
 このショットの見所はなんと言ってもズボンとタンクトップの隙間からわずかに見える背中の部分。なんともセクシーじゃないですか。水着姿で肌を露出したものよりも、薄着の服を身につけその服の隙間から肌が少し露出した方がよりセクシーに見えることはよくあります。これを人はチラリズムと呼びます。(笑) レビュー19でもこのチラリズムを取り上げました。なぜ人は見えているものよりも、見えそうなものの方により興味がわくのでしょうか。人間心理を巧みに利用したスーパーショットですね。
 またこの背中を見せながら振り向いているショットは、菱川師宣の見返り美人図( こちらを参考)と全く構図が同じなのも興味深い点です。前作17才のときにもこの見返り美人の話は取り上げましたが、前作は背中のショットのみで絵里ちゃんが振り向いているものはありませんでした。今回はより見返り美人図を意識したものとなっています。東京国立博物館に展示されている歴史的芸術作品を遙かに凌駕する、絵里美人図を楽しむことができる秀逸なショットですね。(褒めすぎ?) 次回作ではミロのビーナスやモナリザに挑戦してもらいたいですね!